障がいのあるお子さんを療育する施設では、
スケジュール表をよく目にします。
スケジュール表をなぜ作成するかというと、
自閉症スペクトラムの方を中心に、
やることの見通しを持てた方が落ち着いて
過ごすことができるためです。
スケジュールとは、「構造化」の一環となります。
構造化とは、生活や学習のさまざまな場面で、
その意味を理解し、自分に何が期待されているのかを
わかりやすく伝えたり設定したりするための方法とされます。
構造化とは、主に2つに分かれます。
①場所の構造化
着替える場所、宿題する場所、遊ぶ場所など、場面ごとに
場所を変えると、今、何をするかが分かりやすい
②時間の構造化
スケジュール表でやることの順番を把握する。
時間ごとのルーティン、例えば来所したら荷物をかごに
入れて、上着を脱いで、トイレに行くなど、毎回、やる
ことの順番が決まっていると、見通しが持ちやすい。
ここまで書いて、あ・りとるではスケジュール表を提示することを
最小限にしています。
具体的には、長期休暇など、朝から晩までお子さんをお預かりして
いるときと、スケジュールで見通しを持てたときの方が安心して
過ごせるお子さんに、個別でスケジュールを作成する場合のみです。
大学時代、療育のケースを担当させてもらったときや、学校で
勤務していたときは、スケジュール表をかなり練って作成していました。
「どうしたらこの時間に活動することが伝わるだろう」
日々、悩んでスケジュール作成していました。
放課後等デイで勤務するようになってから、スケジュール表についての
考え方が変わりました。
「スケジュールって、大人が子どもに対して、何かさせようと思うときに
必要なものなんだな」
「子どもが主体的に遊んでいるときには、必要ないものなんだな」
「スケジュールは学校の授業では絶対に必要なもの、だけど、放課後の時間
はその子のしたいことを支援してあげれば良いのではなかろうか」
そんなことを考えるようになりました。
プログラムがあって、それが出来るように工夫するという活動ではなく、
その子にやりたいこと、楽しめることを一緒に探して、かなえられるよう
に支援していきたいと思っています。
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